喘息の症状と治療
 
喘息の症状と治療
 
はじめに・・
 
このサイトは、私が喘息生活を通して学んだ事を元に、喘息の症状と治療についてまとめたものです。私は成人してから喘息を患いましたが、これまで治療を継続してきたことで、ここ数年、発作を起こすこともなく病状は安定しています。最近は薬の量を減らしてもらえる所までやってきました。これにより、私がこれまでやってきたことは、喘息症状の改善に一定の効果があったのだと自分自身納得することができました。そこで、私が自身の喘息生活で得たノウハウを、喘息で悩んでいる方に向けて書き残すことにしました。喘息のメカニズムや最新の薬学などは、病院のホームページの方が詳しいと思いますが、このサイトでは病院の先生では手の回りにくい、ハウスダスト対策や食事療法などに焦点をあてました。是非、ご活用下さい。
 
 
目次
 
 
  1.こんな症状は、喘息かも知れません・・
 
  2.喘息を放置するとどうなるか?
 
  3.喘息の治療について・・
 

   

3-1.喘息治療に使用されている薬の紹介
   
 

3-2.ハウスダスト対策について・・

   

3-3.喘息と食事について・・
 
 
1.こんな症状は、喘息かも知れません・・
 
喘息は、気道に慢性的な炎症が起こり狭くなる病気です。気道が狭くなることによって下記ような症状が起こります。このような症状が深夜から明け方に多かったり、繰り返し起こる場合は喘息の可能性が高いため、はやめに通院されることをお勧めします。喘息は早期治療が肝心です。発症から2年以内に適切な治療を始めることができれば、薬に頼らなくても良くなる確率が高くなると言われています。
 
 
◆ 喘息であると思われる症状 ◆
・ 息苦しい。
・ 肩で息をする。
・ 呼吸のたびに喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒューといった音)がする。
・ 寝た状態よりも起きている方が呼吸がしやすい。
・ ネバネバした痰がたくさん出る。
・ 唇や手足が紫色になる。

 

 
 
2.喘息を放置するとどうなるか?
 
アトピー型喘息の多くは、ダニやハウスダストなどのアレルゲンを吸入することが発端となります。これらの異物を体外へ排出しようと、アレルギー反応が起こり、気道粘膜に炎症を起こします。この炎症が気道の過敏性を増し、わずかな刺激にも敏感に反応するようにしてしまいます。そして、何かのきっかけで気道に刺激を受けると、平滑筋(気道を取り巻く筋肉)が急収縮し、呼吸困難発作が起こります。発作が何度も繰り返されると、発作の度に平滑筋が肥大し気道を狭くします。同時に痰などの気道内分泌物も増えるため、より一層空気が通りにくくなって行くのです。喘息を放置すると、このような悪循環に陥り、次第に病状が悪化して行きます。気になる症状がある場合は、最寄りのアレルギー科や呼吸器科を受診することをお勧めします
 
 
3.喘息の治療について・・
 
喘息はアレルギー性の炎症が原因となっていることからアレルゲンを避けた生活をすることが最も望ましいことです。しかし、それでは、日常生活に支障が出てしまいます。そのため、現在では薬物に頼った治療が主流となっています。薬物治療と平行して、屋内のハウスダスト対策や食事療法によるアレルギー体質の改善を行い、薬に頼らなくても発作を起こさない生活を目指します。これが喘息治療の基本です。風邪のように短期間で治るものと違い、長期的に見て生活習慣そのものを見直していく努力が必要です。
 
 
3-1.喘息治療に使用されている薬の紹介
 
喘息の症状と治療 薬
喘息治療に使用されている薬について紹介します。喘息治療薬は、性格からコントローラとリリーバーに分類されます。◆コントローラは、喘息発作が起こらないように、炎症をコントロールするための薬です。吸入ステロイド薬をはじめとする炎症を抑えるための抗炎症薬や、ロイコトリエン拮抗薬をはじめとする炎症の原因となるアレルギー反応を抑制するための抗アレルギー薬などが該当します。抗炎症薬と抗アレルギー薬は併用されることが多く、私も吸入ステロイド薬のパルミコートと、ロイコトリエン拮抗薬のキプレスを併用しています。◆リリーバーは、喘息発作が起こってしまった時に、気管支を即座に広げるため、応急的に使用される薬です。β2刺激薬をはじめとする気管支拡張薬や、経口ステロイド薬をはじめとする抗炎症薬などが該当します。リリーバーは、使いすぎると効きずらくなったり、コントローラと比較して副作用がでやすいため、最小限の使用に留めるのが理想です。発作が起こらないように、コントローラで日頃から気道の炎症を抑えて行くことがポイントです。左図は、私が服用している薬です(パルミコート、キプレス、クラリチン)。
 
 
薬の種類 商品名
コントローラ 抗炎症薬 吸入ステロイド薬 フルタイド・ディスカス
フルタイド・ロタディスク
フルタイド・エアー
パルミコート
キュバール
コントローラ 抗アレルギー薬 ロイコトリエン拮抗薬 オノン
アコレート
シングレア
キプレス
コントローラ 抗アレルギー薬 ヒスタミン拮抗薬 サジテン
アゼプチン
ゼスラン
ニポラジン
アレジオン
コントローラ 抗アレルギー薬 トロンボキサン合成阻害薬 ドメナン
ベガ
コントローラ 抗アレルギー薬 メディエーター遊離抑制薬 インタール
リザベン
ロメット
ソルファ
ケタス
コントローラ 抗アレルギー薬 Th2サイトカイン阻害薬 アイピーディ
コントローラ 気管支拡張薬 β2刺激薬
(長時間作用型)
セレベント
ホクナリンテープ
コントローラ 気管支拡張薬 キサンチン系薬
(テオフィリン系薬)
テオドール
ユニコン
コントローラ 漢方薬   小柴胡湯
小青竜湯
リリーバー 気管支拡張薬 β2刺激薬
(短時間作用型)
サルタノール
メプチン
ベロテック
リリーバー 気管支拡張薬 キサンチン系薬
(テオフィリン系薬)
テオコリン散
リリーバー 気管支拡張薬 抗コリン薬 アトロベント
テルシガン
リリーバー 抗炎症薬 経口ステロイド薬 プレドニン
 
 
 
3-2.ハウスダスト対策について・・
 
喘息の症状と治療 布団
ハウスダストの中には、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニなど、ダニアレルゲンが混在しており、これらを吸うことにより、喘息症状が悪化します。日頃から、こまめに部屋の掃除をしたり、ハウスダストが発生しやすい布団やソファーの手入れをすることが大切です。これまでの喘息生活から、私がハウスダスト対策で、特に重要だと感じたものは布団です。定期的に布団の掃除機掛けを行うようになってからは、咳き込む込む回数が減りましたし、防ダニ布団に変更してからは、ハウスダストの量が減っただけでなく、布団のメンテナンスも楽になりました(左図は、私が使用している防ダニ布団のダニゼロックです)。
 

防ダニ布団メーカーの老舗、ヤマセイ株式会社によると、防ダニ対策をしていない一般の布団を使用した場合、就寝中に寝返りを打った時の枕元におけるダニ濃度は、居間の1日平均濃度の10倍にもなる事もあるそうです。このことからも、ハウスダスト対策においては、日頃の掃除に加え、布団のメンテナンスをしっかり継続して行くことが大切だと考えられます。◆布団のメンテナンスで確実に効果があるのは、布団の掃除機掛けです。布団の片側で約1分を目安に両面から掛けることが推奨されています。これを2~3カ月継続すれば、布団に生息するダニ抗原をほぼ一掃できます。布団に掃除機を掛けた場合、ダニの卵や糞は比較的、除去しやすいのですが、生きているダニは、布団の繊維にしがみつくため、思ったほど除去できません。しかし、ダニの寿命は、2~3カ月ですから、生息期間中にダニが産む卵をしっかり除去し、ダニが死んだ後に死骸を除去すれば、布団からダニ抗原が一掃できると言う訳です。非常に地道な作業ですが、確実に成果のある方法なので、是非、お試し下さい。
 
※布団のメンテナンス方法の詳細が次記のサイトに御座います・・ 喘息と布団
 
 
 
 
3-3.喘息と食事について・・
 
喘息の症状と治療 果物
喘息は、薬物治療が主流ですが、ずっと薬に頼った生活をして行くと言うのも、少し不安です。何とか薬に頼らなくても良い状態にしたい。それは難しくても、少しでも薬の量を減らしたい。誰もがそう望んでいると思います。そんな時、力になってくれるのが食物療法です。ここでは、喘息と食物療法について紹介します。食物療法は、薬のように、はっきりとした効果を感じにくいですが、長い時間をかけて体に変化が出てきます。ですから、ポイントを抑えて継続して行くことが大切です。喘息の食事は、食物アレルゲンを避け、食べる事ができる食品で栄養を補いながら、バランス良く食べることが基本です。アレルギー症状を悪化させる糖分、肉類、脂質の取り過ぎを控え、ビタミンや食物繊維を多く含んだ、きのこ類、野菜、果物などを中心に摂取するように心掛けて下さい。それでは各項目についてもう少し詳しく紹介します。


◆糖分の取り過ぎは、体内のミネラルバランスを崩します。特に、カルシウム不足が深刻です。カルシウムは、神経細胞と免疫細胞間の情報伝達に必要なミネラルで、不足すると、免疫細胞が正常に作用しなくなり、アレルギー症状を悪化させます。糖分の取り過ぎは控えましょう。◆肉の取り過ぎは、腸内を腐敗させ免疫力を低下させます。更に、アミノ酸に分解されていない大きな分子のタンパク質(未消化タンパク質)が、腸壁から吸収され血液中に運ばれると、アレルゲンと認識され、アレルギー反応を悪化させます。肉の取り過ぎも控えましょう。◆脂質は、取り過ぎに注意するだけでなく、リノール酸とα-リノレン酸をバランス良く摂取することが大切です。リノール酸は、ひまわり油やサフラワー油などに多く含まれ、体内でγ-リノレン酸やアラギドン酸に分解されます。過剰摂取するとアレルギー症状を悪化させる脂肪酸です。一方、α-リノレン酸は、えごま油などに多く含まれ、体内でEPAやDHAに分解されます。アレルギー症状を軽減してくれる脂肪酸です。現代の食生活は、リノール酸過多の状態にあるので、リノール酸の多い油料理を控え、α-リノレン酸を適度に摂取するように心掛けましょう。α-リノレン酸を多く含んだ、しそ油や、えごま油は非常に酸化されやすい性質を持つため、加熱せず、サラダやドレッシングなどで摂取するようにすると良いでしょう。加熱料理には、酸化されにくいオレイン酸を多く含んだオリーブオイルを使用すれば、リノール酸の摂取を控えることができます。また、喘息では、◆ビタミンCが慢性的に不足すると言われていますから、抗酸化力の強いみかんや、りんごなどで積極的に補いましょう。清涼飲料水に入ったビタミンCは、商品の酸化防止のために使用されているものなので、体の酸化防止効果は、あまり期待できません。直接、果物から摂取することをお勧めします。また、◆食品添加物にも注意しましょう。私達は、知らず知らずのうちに、年間4kgもの食品添加物を摂取しているとの報告もあります(英サセックス大学のエリック・ミルストーン教授)。その中には、非常にリスクの大きいものもあります。特に、合成着色料の黄色4号や、保存料の安息香酸Na、発色剤の亜硝酸Naは避けた方が良いでしょう。

これまで喘息と食事療法について紹介致しましたが、食生活の改善は簡単なようで結構大変です。書き残して置かないと一週間前に食べた物は忘れてしまいますし、甘いものを控えていたから、少しくらい大丈夫だろうと思って食べ始めたら、ついつい食べ過ぎてしまうこともあります。しかし、できる所から始めて継続すれば、胃腸の調子が改善され必ず体に変化が出てきます。私の場合は、果物が効果的だったと思います。果物をおやつ代わりにする事で、スナック菓子やチョコレートの量をストレスなく減らすことができましたし、果物のおかげかは分かりませんが、肌荒れも以前より減ったような気がします。ただ、食費は、多少掛かかるようになりました。特に、無添加食品などにこだわった場合、スーパーで並んでいる一般的な商品の倍以上するものもあります。しかし、最近思うのですが、食費を割いても将来、多額の薬代が必要になったら、節約した意味ないのではないかと・・食費をケチらず、良いものを選んで食べて行く事が、長期的に見た時、体にも懐にもやさしいのではないかと思っています。まずは、できる所から、はじめてみませんか?

 
※喘息と食事の詳細が次記のリンクに御座います・・喘息に効く食事
 
 
 
あとがき・・
 
喘息になってしまった当初は、体も心も重く、あまり前向きにはなれませんでした。しかし、良い先生に出会いアドバイスを頂き、また、自分でも、喘息について勉強して、症状が改善してきたら、すごく前向きに物事を考えることができるようになりました。今では、喘息を通して学んだことは、自分の財産になると感じています。今、喘息で悩んでいる方も、症状を改善するための方法が必ずあるはずですから、あきらめずに、お互い頑張りましょう。
 
 
 
参考文献&資料
相互リンク

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五十嵐 脩 監修 「栄養キーワード事典」
日野原重明 総監修 「食べて治す・防ぐ医学事典」
増尾 清 監修 「食べてはいけない危険な食品添加物」
佐野 靖之 監修 「ぜんそく 最新治療と健やかな毎日の知識」

 
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